(1990年9月5日最高人民会議常設会議決定第4号で採択、1991年4月12日最高人民会議第9期第2次会議で承認)
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第1章 民法の基本 第2章 民事法律関係の当事者 第3章 民事法律行為 第2編 所有権制度 第1章 一般規定 第2章 国家所有権 第3章 協同団体所有権 第4章 個人所有権 第3編 債権債務制度 第1章 一般規定 第2章 計画に基づく契約 第3章 計画に基づかない契約 第4章 不当利益行為 第4編 民事責任及び民事時効制度 第1章 民事責任 第2章 民事時効 |
第1条 朝鮮民主主義人民共和国民法は、財産関係に対する民事的規制を通じて社会主義経済制度及び物質・技術的基礎を強固にし、人民の自主的で創造的な生活を保障することに貢献する。
第2条 朝鮮民主主義人民共和国民法は、機関、企業所、団体、公民間の同等な地位において成立する財産関係を規制する。
国家は、機関、企業所、団体、公民に対して民事法律関係において当事者としての独自的地位を保障する。
第3条 生産手段に対する社会主義的所有は、朝鮮民主主義人民共和国の経済的基礎である。
国家は、財産関係において社会主義的所有に基づく人民経済の計画的管理運営を強化し、社会主義経済制度を持続的に強固なものにする。
第4条 計画的な財産取引関係は、人民経済計画に基づく契約により成立する。
国家は、機関、企業所、団体が計画課題を損なうことなく遂行することができるよう財産取引関係を締結し、実現させる。
第5条 国家は、機関、企業所、団体が財産関係を設定し、実現する過程において社会主義経済管理形態の大安の事業体系の要求を具現し、契約規律を厳格に守らせる。
第6条 人民の生活に対して責任を負い、配慮をすることは、社会主義国家の本性的要求である。
国家は、機関、企業所、団体が公民と財産関係を設定し、実現する過程において、人民の福利増進のための施策が勤労者に対してより効果的に及ぶことに深い関心を払う。
第7条 公民が参加する財産関係は、契約を始めとする行為又は事件により成立する。
国家は、財産関係に勤労者が日常的に広く参加することができるようあらゆる便宜及び条件を保障する。
第8条 集団主義は、社会主義社会生活の基礎である。
国家は、機関、企業所、団体、公民が相互に協力し、幇助する集団主義原則により財産関係を設定し、実現させるようにする。
第9条 国家は、財産関係を設定し、実現する過程において国家及び社会の利益を優先させつつ、個別的機関、企業所、団体及び公民の利益を徹底して保障しなければならない。
機関、企業所、団体及び公民の民事上の権利保障と関連して提起される問題は、裁判又は仲裁手続により解決する。
第10条 朝鮮民主主義人民共和国民法は、国際条約又は協定により別途に規定しない限り共和国領域内でなされるすべての民事法律関係に適用する。
第11条 民事法律関係の当事者には、独立的な経費予算及び独立採算制により運営される機関、企業所、団体及び公民がなる。
法的に登録された合弁会社も、民事法律関係の当事者となる。
第12条 機関、企業所、団体は、該当国家機関に登録されたときから民事上の権利を有し、又は義務を負うことができる民事権利能力及びそれを自ら直接実現することができる民事行為能力を有する。
第13条 機関、企業所、団体は、自己本来の任務に適合する範囲内において民事権利能カを有する。
機関、企業所、団体は、自己本来の任務に該当する国家機関に登録した後には、それを任意に変更することは、できない。
第14条 機開、企業所、団体の管理責任者は、その機関、企業所、団体の代表者でなければならない。
機関、企業所、団体は、自己の代表者又は代表者が委任する代理人を通じて民事法律行為を行う。
第15条 機関、企業所、団体は、自己が管理又は所有している財産に対しては、自ら民事責任を負う。
第16条 機関、企業所、団体が分割される場合に、民事上の権利義務も比率に応じて分割され、統合される場合には、その権利義務も統合される。
機関、企業所、団体が廃止又は自ら解散を決定した場合に、それらが所有していた債権債務は、該当任務の委任を受けた清算人がこれを処理する。
第17条 機関、企業所、団体の民事権利能力及び民事行為能力は、機関、企業所、団体の廃止又は解散が該当国家機関に登録されたときに消滅する。
第18条 国家は、国家所有関係を始めとする一定の民事法律関係において、直接当事者となる。この場合に国家は、該当の権限を付与した機関を通じて当事者としての権利を行使し、義務を履行する。
第19条 公民の民事権利能力は、出生と同時に発生し、死亡と同時に消滅する。
すべての公民は、民事権利能力を平等に有する。法により別に定める規定がない限り、何人も公民の民事権利能力を制限することは、できない。
第20条 公民の成人年令は、17歳である。
17歳に達した公民は、民事法律行為を独自に行うことができる民事行為能力を有する。
16歳に達した者は、自己が受けた労働報酬の範囲内において民事法律行為を独自に行うことができ、その範囲を超える行為については、父母又は後見人の同意を得なければならない。
第21条 16歳に達しない者は、父母又は後見人を通じて民事法律行為を行う。ただし、6歳以上の未成年者は、学用品又は細かい日用品を買う行為をなすことができる。
第22条 最後の消息があったときから2年が経過するまで消息のない公民に対しては、利害関係者の申請により公証機関が所在不明者として認定することができる。
所在不明者に認定してから1年、消息がなく、又は最後の消息があったときから3年、生命に危険を与える事故があったときは、事故発生から1年を経過するまで消息がない公民に対しては、前項の手続により死亡者として認定することができる。
第23条 所在不明者又は死亡者と認定された公民が現れ、又は生存の事実を知らせて来た場合には、公証機関は、本人又は利害関係者の申請により該当する認定を取り消す。
第24条 民事法律関係の設定、変更、消滅を目的とする法律行為は、口頭又は書面により意思表示を行うことができる。
法が要求する場合は、書面により行い、又は公証を受けなければならない。
第25条 民事法律行為をした者は、法により許容され、又は相手方からの同意があるときに限り、自己行為の取消、又は変更をすることができる。
第26条 民事法律行為は、国家の法及び社会主義的生活規範に適合しなければ法的効力を有しない。
国家の法及び社会主義的生活規範に反する行為、国家及び社会に害が及ぶことを知りつつ行った行為、虚偽的に行った行為、民事行為能力のない公民が行った行為等は、その効力を有しない。
第27条 民事法律行為の効力がなくなった場合に、当事者が既に取引された金銭又は物は、相互が相手方に返還する。ただし、国家の法及び社会主義的生活規範に違反する行為と知りつつ行為を行った者には、該当の金銭又は物は、返還せず国庫に帰属させる。
第28条 詐欺による民事法律行為、本質的な内容に対して錯誤のある民事法律行為、強要により不本意に行った民事法律行為、16歳に達した者が父母又は後見人の同意なく行った民事法律行為は、取り消すことができる。取消は、2か月以内に行われなければならない。
取り消された民事法律行為は、効力がないものとみなす。
第29条 民事法律行為が取り消された場合、既に当事者間に授受された金銭又は物は、相互が相手方に返還する。ただし、相手方に詐欺又は強要により民事法律行為を行わせた者の金銭又は物は、返還せず国庫に帰属させる。
第30条 民事法律行為の効力は、一定条件の発生と関連させることができる。この場合に当事者は、条件の発生を早め、又は妨害する行為を行ってはならない。
第31条 機関、企業所、団体、公民は、法が定める場合、又は自己が直接行わなければならない場合を除いては、代理人を通じて民事法律行為を行うことができる。
第32条 代理には、法により行う法定代理及び委任により行う委任代理がある。
代理人は、必ず民事行為能力を有する公民でなければならない。
第33条 代理人は、代理の幇助を受ける本人名義で民事法律行為を行い、その行為の法的効力は、本人に帰する。
本人は、代理人及び法律行為を行った第三者に対して代理権の範囲内で行われたすべての行為結果に対して責任を負う。
第34条 代理の委任は、口頭又は書面により行われる。
公民が代理を口頭により委任する場合には、その事実及び代理権の範囲を相手方に知らせなければならない。
機関、企業所及び団体は、書面によってのみ代理を委任することができ、代理を委任する委任状又は信任状には、代理権の範囲を明確にしなければならない。
第35条 代理人は、代理権の範囲内で代理行為を誠実に行わなければならない。
代理権の範囲を超える代理行為の結果及び不誠実な代理行為により生じた損害については、代理人自身が責任を負う。
第36条 代理権は、本人又は代理人が死亡した場合又は代理人が民事行為能力を喪失した場合に、消滅する。委任による代理権は、本人が代理の委任を取り消し、又は代理人がその委任を拒否した場合は、消滅する。
第37条 朝鮮民主主義人民兵和国における財産に関する所有権は、その所有形態により国家所有権、協同団体所有権、個人所有権に区分される。
第38条 所有権は、法又は契約その他の行為及び事件に基づいて発生する。
所有権の発生は、法に基づく場合には、法が定めるところによるが、契約に基づく場合には、契約を締結し、その対象が渡された時から成立する。
第39条 所有権を有する者は、法が定める範囲内で自己の所有財産を占有し、利用又は処分することができる。
財産に対する処分は、該当所有権を有する者のみが行うことができる。
第40条 所有権を有する者は、自己の財産を他人が不法に占有する場合、その返還を要求することができる。
第41条 所有権を有する者は、自己所有権の実現を妨害する行為を行う者に対して、その行為の中止を要求することができる。
第42条 所有権は、数人が分割して共同で所有することができる。
共同所有財産を占有し、利用又は処分することは、共同所有権者間の合意により行うことができる。
第43条 共同所有者は、共同所有財産の中から自己の持分を分割して所有することができる。
財産を現物で分割所有することが困難な場合には、自己の持分に該当する対価を受け取ることができる。
共同所有権者の持分が明白でない場合には、その持分は、等しいものとみなす。
第44条 国家所有は、全体人民の所有である。
国家所有は、国有化した財産、国家投資により準備された財産、国家企業所の生産物、国家機関又は企業所が購入した財産、国家の決定により国家機関に引き渡された財産、協同団体又は公民が国家に譲り渡した財産、その他国庫に帰属された財産等により構成される。
第45条 国家所有権の対象には、制限がない。
次の財産は、国家のみが所有することができる。
1 地下資源、山林資源、水産資源を始めとするすべての天然資源
2 重工業、軽工業、水産業、林業を始め人民経済のあらゆる部分の重要工場、企業所、農作機械作業所、潅漑管理所等の農村経営部門に服務する企業所、買収糧政、都市経営、重要商業及び出版印刷企業所
3 港湾、銀行、交通運輸及び逓信、放送機関
4 各級学校及び重要文化保健施設
第46条 国家所有権の当事者は、全体人民を代表する国家である。
国家は、国の富強発展及び人民の福利向上のために自己の所有財産を制限なく占有し、又は利用、処分することができる。
第47条 国家所有権は、国家が直接又は個別的な国家機関、企業所を通じて実現する。
国家機関、企業所は、自己が担う国家所有財産に対する経営上の管理権を有し、国家の指導の下にその財産を自己名義で占有し、利用、処分することができる。
第48条 国家機関、企業所の財産が協同団体又は公民に供給、販売される場合に、国家所有権は、その協同団体又は公民に譲渡される。ただし、国家機関及び企業所の財産が外国家機関及び企業所に供給、販売される場合は、経営上管理権のみが譲渡される。
第49条 国家から協同農場に配備されたトラクター、田植機械、収穫機を始め現代的農業機械、国家負担により協同組合に設置した文化施設、脱穀場、家畜の畜舎、倉庫等の固定財産に対して国家は、自己所有権を継続して有しつつ、その利用権を当該協同農場に引き渡す。
協同農場は、国家が支援した固定財産をその使命に適合させて自己財産同様に利用することができる。
第50条 国家は、住宅を建設してその利用権を労働者、事務員、協同農民に譲渡し、それを法的に保護する。
第51条 国家機関及び企業所は、自己財産が権限のない者から協同団体又は公民に渡されたときは、その返還を要求することができる。
第52条 無主物は、国家所有とする。無主物とは、その所有権者がなく、又は所有権を有する者を知ることができない物が属する。
第53条 協同団体所有とは、協同経営に属する勤労者の集団的所有である。
協同団体所有は、協同団体成員の持込財産、協同団体の自己投資により作られた財産、協同経営の生産物、協同団体が購入した財産、国家から協同団体に所有権が譲渡された財産により成立する。
第54条 協同団体は、土地及び家畜、農器具、漁船、建物等及び中小工場、企業所及び文化保健施設、その他経営活動に必要な対象物を所有することができる。
第55条 協同団体所有権の当事者は、個別的な協同団体である。
協同団体は、自己の所有財産をその成員の意思により民主主義原則により占有又は利用、処分を行うことができる。ただし、土地に対する処分は、法の定める規定に従い行うことができる。
第56条 協同団体が生産した製品を、国家機関、企業所、又は他の協同団体若しくは公民に供給、販売される場合には、これに対する所有権は、相手方に移転する。
第57条 協同団体は、自己の所有財産が権限のない者から他の協同団体又は公民に譲渡された場合は、その返還を請求することができる。
第58条 個人所有とは、勤労者の個人的で、消費的目的のための所有である。
個人所有は、労働による社会主義分配、国家及び社会の追加的恵沢、自留地経営を始め個人副業経営から得た生産物、公民が購入又は相続、贈与された財産、その他法的根拠により得られた財産で成立する。
第59条 公民は、住宅及び家庭生活に必要な各種家庭用品、文化用品、その他生活用品及び乗用車等の機材を所有することができる。
第60条 個人所有権の当事者は、個別的公民である。
公民は、自己の所有財産を社会主義的生活規範及び消費的目的に適合するよう自由に占有し又は利用、処分を行うことができる。
第61条 公民が家庭成員として日常生活に共同で利用するために設けた財産は、家庭財産となり、家庭成員となるときに持参し、又は結婚前から所有している財産、相続又は贈与された財産及びその他個人的性格を帯びる財産は、個別財産となる。
第62条 公民は、自己の所有財産を、無権利者から譲渡されたことを知って所有する公民に対して、その返還を要求することができる。
遺失物に対しては、その事実を知らずに所有している者に対しても、その返還を請求することができる。
第63条 国家は、個人所有財産に対する相続権を保障する。
公民の個人所有財産は、法により相続される。
公民は、遺言によっても自己の所有財産を家庭成員であるその他の公民又は機関、企業所、団体に相続することができる。
第64条 本法において債権とは、一定の財産上の行為を行うことを請求する権利をいい、債務とは、一定の財産上の行為を遂行しなければならない義務をいう。
第65条 債権債務関係において債権者及び債務者は、権利を有しながらそれに対応する義務も同時に負うことができ、権利又は義務いずれかの一方のみを有することもできる。
第66条 債権債務関係は、人民経済計画を始めとする国家の行政文件又は契約その他の行為及び事件に基づいて成立する。
第67条 債権者は、債務者の債務履行に必要な幇助を与えなければならない。この義務に対する怠慢により債務履行に支障を与えた債権者は、債権に制限を受け、又は該当の責任を負わなければならない。
第68条 債椿者は、債務者の債務不履行により生じた損害が大きくなるのを防ぐための対策を立てなければならない。この義務を怠って損害が大きくなった場合には、補償を要求する債権者の権利は、その分だけ制限される。
第69条 債権債務関係における価格は、国家が定め、又は評価した価格又は当事者間で合意に達した価格により定め、これを計算する。
国家の価格規律に違反し、多く授受された金銭又は物は、相手方に返還され、意識的に価格規律に違反し、多く授受した物は、返還せず国庫に帰属する。
第70条 債権債務関係において債権者又は債務者が数人の場合、各人は、債権又は債務の持分を分割して所有することができ、又は連帯的に所有することもできる。
第71条 分割債権者は、自己の持分に対する履行のみを要求する権利を有し、分割債務者は、自己の持分に対する債務のみを履行する義務を負う。
第72条 分割債権者の有する請求の持分又は分割債務者が負う債務の持分が相互に異なることが明確でないときは、その持分は、均等であるとみなす。
第73条 連帯債権者は、各自が債務のすべての履行を請求する権利を有し、連帯債務者は、各自が債務をすべて履行する義務を負う。
第74条 債務を全部履行した連帯債務者は、他の連帯債務者に対し各自が負担しなければならない持分の補償を請求する権利を有し、債務の全部の履行を受けた連帯債権者は、他の連帯債権者に対して該当持分を配分する義務を負う。
第75条 連帯債権者は、自己の請求権を行使する場合、他の連帯債権者の利益を侵してはならない。
ある連帯債権者が自己の請求権を放棄した場合、それは、他の連帯債権者には、影響を与えない。
第76条 債権者が特定の連帯債務者の債務を免除した場合に、その者が負担しなければならないとされた持分だけ他の連帯債務者の持分も減少する。
第77条 債権者又は債務者は、自己の債権又は債務を第三者に譲渡することができる。
債権を第三者に譲渡する債権者は、その事実を債務者に知らせなければならず、債務を第三者に引き受けさせる債務者は、債権者の同意をあらかじめ得なければならない。
第78条 第三者の瑕疵により発生した債務を、債権者に対して履行した当事者は、第三者に対して該当する補償を請求する権利を有する。
第79条 債務者は、自ら直接債務を履行しなければならない。
債務者が直接履行する必要のない債務は、第三者に委任して履行させることができる。
この場合に、債務者は、第三者の債務履行に対して債権者に対し責任を負う。
第80条 債務者は、債務を定められた期間内に履行しなければならない。
債務履行を遅延させ、又は債務履行の受理を遅延させた当事者は、それに対する責任を負う。
第81条 法又は契約において別段の規定のない限り、債務は、一回で履行しなければならず、債務を分割して履行する場合に、債権者は、その履行の受理を拒否することができる。
第82条 徴表が同種の物を有償で引き渡す債権債務関係において、債務者は、最も質のよい物を引き渡さなければならない。
物を無償で引き渡すこととされている場合には、中間程度の質を有する物を引き渡すことができる。
第83条 徴表が異なる特定物を対象とする債権債務関係において、その物がなくなり、又は使用することができなくなる場合、当該債権債務関係は消滅する。ただし、発生した損害については、瑕疵ある者が補償する責任を負う。
徴表が同種の物を引き渡すこととされた債権債務関係において、物が滅失し、又は損傷すれば、債務者は、同種の他の物を引き渡さなければならない。
第84条 徴表が同種の物の中から債権債務の対象が個別的に定められた場合、そのときからその対象物は、徴表が異なる特定の物となる。
第85条 財産を譲渡する債権債務関係においては、譲渡する財産及びそれに従属する財産も譲渡しなければならない。
第86条 債務は、法又は契約が定めた場所において履行しなければならない。
法又は契約の定めがない場合、金銭で支払わなければならない債務は、債権者の住所地又は取引先銀行、不動産を譲渡しなければならない債務は、不動産所在地において、その他の債務は、債務者の所在地又は住所地において履行しなければならない。
第87条 債務の対象となる物を著しく損傷させた場合に、その価格全部を補償した者は、当該物に対する所有権を取得する。
第88条 債権債務関係において当事者は、諸般行為の中でいずれかの一つを選択して履行することができる。
法又は契約において行為の選択権を有する者を定めない場合に、選択権は、債務者にある。
第89条 選択権を有する者が債務履行期限になるまで行為の選択を行わなければ、選択権は、相手方に移転する。
第90条 計画に基礎を置く契約は、人民経済計画を実行し、経済管理において独立採算制を正確に実施するため計画に基づいて、機関、企業所、団体の間において締結される。
機関、企業所、団体は、計画を定めた手続及び方法により適時に締結しなければならない。
第91条 契約当事者は、人民経済計画を最も正確に、合理的に遂行することができるよう契約内容を定めなければならない。
機関、企業所、団体は、計画の中に明らかに不足点があると認められる場合に、計画機関に対してその事実を適時に知らせなければならない。
第92条 契約は、法が定めたすべての事項に対して合意がなされたときに締結される。
契約締結に際して意見の相違は、仲裁手続により解決する。
第93条 契約は、人民経済計画が追加又は調節されれば、それに従い変更される。
契約の変更は、計画の追加、調節に関する通知を一方当事者が相手方から受け、又は契約双方が権限のある国家機関から受けたときに成立する。
第94条 機関、企業所、団体が、国家の資材供給計画に基づき資材を授受する行為は、資材供給計画により行われる。
資材供給契約は、大安の事業体系の要求及び資材を授受する際に商業的形態を利用することに対する国家的要求に適合するように締結し、履行しなければならない。
第95条 資材供給契約に際しては、国家の資材供給細部計画により機械、設備、原料、資材を授受する機関、企業所、団体等が、その当事者となる。
資材供給契約により供給者は、計画に予見された資材を需要者に引き渡す義務を負い、需要者は、それを受け取り、それに相当する価格を支払う義務を負う。
第96条 資材供給契約の当事者は、供給しなければならない資材名、規格、質、供給期間、数量、価格及び資材の授受方法、資材の包装条件、取引銀行等の条件について合意に達しなければならない。
第97条 供給者は、資材を適時に倉庫から出荷させ運輸機関を通じて需要者まで届けなければならない。
運輸機関を通じた輸送組織については、供給者が責任を負い、それに所要される輸送費は、需要者が負担する。
第98条 供給された資材の点検は、需要者が行う。
需要者は、資材に事故があれば、供給者を立会させ、当人から事故調書を受けることができる。
正当な理由なく事故確認を遅延又は拒否した当事者は、需要者が作成した事故調書に基づいてその責任を負う。
第99条 供給された資材に隠された欠陥を発見した需要者は、供給者にその事実を知らせ、その者から事故調書を受けなければならない。緊急の場合、又は事故原因及び内容に対して争いがあるときは、該当監督機関の参加の下に事故調書を作成することができる。
隠れた欠陥に対して需要者は、資材を引き渡されたときから3か月以内に、機械設備の場合には、試運転の終了時まで供給者にその責任を問うことができる。
第100条 需要者が、供給された資材を死蔵、浪費したため支払い能力を喪失した場合、供給者は、契約した資材の供給を調節することができる。
第101条 需要者は、資材を引き受けた後、その代金を適宜に支払わなければならない。
資材の品種、規格、質、代金等が契約条件と合わないとき、需要者は、代金支払いを拒否し、資材を供給者に返品することができる。ただし、変質の可能性があり、又は緊急な対策を要する資材の場合は、返品せずに代金のみ引き下げることができる。
第102条 機関、企業所、団体は、国家の商品計画に基づいて商品を授受する行為は、商品供給契約に従い行わなければならない。
商品供給契約は、注文制により生産及び消費の相互関係を確立して人民の物質文化的需要を充足させるという国家的要求に合せて締結し、履行されなければならない。
第103条 商品供給契約により供給者は、計画に予見される人民消費品を需要者に供給する義務を負い、需要者は、供給に見合う代金を支払う義務を負う。
第104条 商品供給契約の当事者としては、国家の商品配分計画に従い商品を供給する工場、企業所、卸売商業企業所、小売商業企業所がなる。
工場、企業所の製品販売を担当する商社、協同農場も契約当事者となることができる。
第105条 商品供給契約の当事者は、本法第96条に規定する条件について合意に達しなければならない。
第106条 供給者は、商品を適時に運輸機関を通じて出荷させ、又は需要者の倉庫まで届けなければならない。この場合、商品と共に商品明紬書を需要者に届けなければならない。
第107条 供給された商品の点検は、需要者が行い、その過程で現われた欠陥に対する事故処理は、本法第98条第2項の規定による手続により行われる。
第108条 供給された商品の隠れた欠陥に対する事故処理は、本法第99条第1項の規定による手続により行われる。
使用保証期間を定めない商品に隠れた欠陥については、商品の供給を受けたときから3か月以内にその責任を問うことができる。
第109条 買上機関が国家買上げ計画に基礎を置いて農産物を買い入れる行為は、農業生産物買上げ契約により行われる。
農業生産物買上げ契約は、穀物と原料を計画的に動員して農場員の生産意欲を師めるための国家的要求に適合するよう締結し、履行されなければならない。
第110条 農案生産物買上げ契約により生産者は、合意した農産物を生産して買上機関に納める義務を負い、買上機関は、それに見合う代金を支払う義務を負う。
第111条 農業生産物買上げ契約の当事者は、買上品の買上げ期間、数量、価格、質、規格及び保管、輸送方法等の条 件に対して合意に達しなければならない。
第112条 買上品の質及び規格は、国家買上げ計画により定められる。国家買上げ計画において規定がない場合には、当事者間の合意に基づいて定める。
第113条 買上品の包装材及び容器は、買上機関が保障する。
生産者が準備しなければならない包装材及び容器は、生産者がこれを保障する。この場合の費用は、買上機関が負担する。
第114条 契約当事者は、買上げ期間を守らなければならない。
買上機関が契約期間内に農産物を買上げることができないときは、生産者が被った損害を補償しなければならない。
第115条 質上げ機関は、農産物の質を正確に検査し、量を計量・計測して買い入れなければならない。
農産物は、野積や倉庫に入れて容積を計算する方法により買い入れることはできない。
第116条 生産者の倉庫又は現地で買入れた農産物を運び、又は保管する責任は、買上機関が負う。ただし、包装せずに買入れた穀物又は分量の多い買上品は、買上機関の責任の下で生産者に保管させることができる。
第117条 機関、企業所、団体が、国家の基本建設計画に基づいて基本建設を委託する行為は、基本建設施工契約により行う。
基本建設施工契約は、建設を集中化し、建設原価を下げて建設物の質を高めようとする国家的要求に合致させる立場で締結し、履行しなければならない。
第118条 基本建設施工契約により施工主は、建設対象を完成して建設主に引き渡す義務を負い、建設主は、定められた建設条件を保障し、完成された建設物を引き取る義務を負う。
第119条 基本建設施工契約の当事者は、建設対象及び規模、着工、完成期日、当事者間で守られなければならない事項等の条件に対して合意しなければならない。
基本建設施工契約は、計画年度を基準に建設対象別に締結する。
第120条 建設主は、工事に支障のないように建設敷地及び設計を保障しなければならない。
建設敷地内の建物及び施設物を移動する作業は、建設主の委圧により施工主が行うことができる。
第121条 施工主は、建設対象の着工及び完成期日、操業期日を守らなければならず、設計図及び技術文献どおり工事の質を保障しなければならない。
第122条 建設主は、建設工事に支障のないよう施工主の工事実績を適宜に確認してやらなければならない。
第123条 施工主と建設主は、竣工検査において合格した建設物のみを引き渡し、引き取ることができる。竣工検査は、契約の工事が終了し、操業能力に相当する負荷試運転が行われたときに行う。
第124条 施工主は、建設物を建設主に引渡後1年以内に現われた欠陥に対しては、修繕の義務を負う。この場合、それに必要な費用は、瑕疵ある者が負担する。
第125条 機関、企業所、団体が国家の輸送計画に従い、適宜に貨物を輸送機関を通じて運搬する行為は、貨物輸送契約により行われる。
貨物輸送契約は、輸送組織を合理化させて貨物輸送計画を質・量の両面における合理性を求め、国家的要求を充足させる立場で締結し、履行されなければならない。
第126条 貨物輸送契約により輸送主は、貨物を輸送機関に引き渡し、運賃を支払う義務を負い、運輸機関は、その貨物を荷受け人まで配達する義務を負う。
第127条 貨物輸送契約の当事者は、貨物名、運送量、送り先及び着地、貨物の積下しの方法及び送り主、受取人の名前等の条件について合意しなければならない。
第128条 荷送り人は、契約された貨物を定められた規格どおりに運輸機関に適時に渡さなければならず、運輸機関は、その貨物の性質に見合った運輸手段を配慮しなければならない。
第129条 貨物の積下しの作業は、別途の合意がない限り荷主が行わなければならない。
貨物の積下しの作業を請け負った当事者は、規定の作業期間を遵守しなければならない。
第130条 運輸機関は、荷受人に貨物を引き渡すまで責任を持って保管・管理しなければならない。
運輸機関は、運搬貨物を任意に使用し、又は他人に譲渡してはならない。
第131条 運輸機関は、最も合理的な輸送経路を経て、定めれらた期間内に貨物を目的地まで運ばなければならない。
運輸機関がこの義務を怠ったとき、荷主は、余分に掛かった運賃支払いを拒否することができ、遅れて到着した貨物に対する延着補償金を受け取ることができる。
第132条 運輸機関は、貨物が到着すれば適時に荷受人に知らせなければならない。
荷受人は、到着した貨物を規定期間内に受け取らなければならない。
この義務を怠ったとき、保管料又はそれに該当する料金を支払わなければならない。
連帯輸送により運んだ貨物に対する保管料又は制裁金は、貨物を引き渡す運輸機関が適用する比率により計算する。
第133条 荷受け人は、貨物を検査し、事故があるときは、運輸機関より事故調書をもって相当な損害補償を請求することができる。
正当な理由なく事故調書作成を拒否した運輸機関は、その事故に対して責任を負う。
第134条 機関、企業所、団体、公民等が人民経済計画に適合しない貨物を運輸磯関を通じて運搬する場合にも、本法に規定した貨物輸送契約秩序により行う。
第135条 計画に基づかない契約は、国家の人民的施策が公民に幅幅広く波及するように行われ、機関、企業所、団体等の、正常な経営活動を保障するために締結される。
第136条 契約は、一方の当事者の提議及び相手方当事者の承諾により成立する。
提議をなした当事者は、相手方がその提議を受け入れた時から該当提議を一方的に取り消すことはできない。
第137条 国家の承認の下においてのみ所有することのできる物、希有金属及びその他国家統制品は、契約の対象になることはできない。
第138条 契約当事者は、契約対象、履行機関、価格等本質的条件に対して合意しなければならない。
公民に対して不労所得を与えるような契約内容は、設定することができない。
第139条 契約は、これを有償で締結することもでき、無償で締結することもてきる。
機関、企業所、団体が参加する契約は、有償で締結する。
第140条 機関、企業所、団体等相互間の契約は、書面により締結しなければならない。
機関、企業所、団体及び公民間、公民の相互間の契約は、法の別途規定がない限り口頭で締結することができる。契約締結及び内容に対して紛争が発生する場合において書面と同等の証拠能力のある契約は、裁判又は仲裁において優先的に認められる。
第141条 不動産取引を内容とする契約は、書面で締結し、公証を受けなければその効力を有しない。
第142条 両方の当事者が共に義務を負う契約は、相互が同時に履行することを原則とす
る。
一方の当事者が自己の義務を履行しない場合には、相手方当事者は、自己の義務履行を保留することができる。
第143条 一方の当事者が定められた期間内に契約を履行しなければ、相手方当事者は、契約を取り消すことができ、それにより被った損害補償を受けることができる。
第144条 契約対象を受けた者は、適時に検査し、発見した欠陥を相手方に知らせなければならない。
契約対象の欠陥に対して瑕疵ある者は、欠陥を修理し、又は対象を別のものに交換し、又はその価格を引き下げなければならない。
第145条 契約対象を受け取った者は、隠された欠陥を相手方に告知し、責任を問うことができる。
隠れた欠陥に対する責任は、規定した期間内に行われなければならない。
第146条 契約対象を預ける者は、それが紛失し、又は損傷したことに対して責任を負わなければならない。ただし、自然災害等の不可抗力により契約対象物が紛失し、又は損傷したことに対しては、その責任を負わない。
第147条 契約は、第三者のために締結することができる。この場合に、契約の効力は、契約を締結した者と共に第三者にも発生する。
第148条 小売商業企業所、買上機関と公民間、又は公民相互間に行われる物の売買行為は、売買契約により行われる。
売買契約は、人民の消費的需要を円満に保障するよう締結され、履行されなければならない。
第149条 売買契約により、売主は、買上げ者に対して所有権を引き渡す義務を負い、買上げ者は、物を引き渡された後その価格を支払う義務を負う。
物を売ることは、それに対する処分権を有する者のみが行うことができる。処分権のない者が物を売ることを知りつつ締結した売買契約は、無効である。
第150条 工場及び企業所において生産し、供給した商品に対する売買契約における売主は、小売商業企業所がなることができる。
小売商業企業所は、住民の需要に適合するよう商品注文書を作成し、商品を適宜に確保して販売しなければならない。
第151条 保証期間が定まった商品を購入した者は、保証期間内に発見された欠陥に対して商品販売者にその責任を問うことができる。
第152条 国家計画にある農産物、希有金属、国家統制品等を提供し、農畜産物、農土産物、原料及び資材、一般用品等を買い上げる当事者には、買上機関が当たる。
買上機関は、基本買上品種の等級基準及び価格を公示し、それに従い買上品を買い入れなければならない。
第153条 買上機関は、契約した物を定められた期間内に買い上げなければならない。この義務が履行されないときは、売主は、他の買上機関に売ることができる。また、これにより発生した損害に対しては、補償を受けることができる。
第154条 買上品を買上場所まで運ぶ仕事は、売主が行い、買上場所から他の場所に運ぶ仕事は、買上機関が行う。
買上品の運搬につき前項と異なった内容で契約を締結した場合、運搬を担当した側は、当該運賃を相手方から受け取ることができる。
第155条 公民が生産した農業による副業生産物は、農民市場においてのみ生産者及び消費者間において合意した価格により売買することができる。
買い入れた物に利潤を付加して再度取引する行為を禁止する。
第156条 公民が物の製造、修理、加工及びその他の仕事を委任する行為は、作業奉仕契約により行う。
作業奉仕契約は、勤労者に対する便宜奉仕を捗らせるよう締結され、履行されなければならない。
第157条 作業奉仕契約により作業する者は、注文を受けた仕事を行い、その結果を作業委任者に引き渡す義務を負う。作業委任者は、作業結果を引き受けて該当の奉仕料を支払う義務を負う。
第158条 作業奉仕契約は、当事者間の話し合いにより合意し、仕事の依頼により締結される。
第159条 作業依頼人は、仕事の依頼時に仕事に関する要求条件を伝え、技術資料を同時に渡さなければならない。この義務の履行が行われずに作業する場合の作業者は、作業期間を延長し、又は作業順序を後回しにすることができる。
第160条 作集を行う者は、契約に別途規定がない限り、資材又は付属品を自己の負担で行わなければならない。作業依頼者が資材又は付属品を負担することとした場合に、作業を行う者は、それを検査し欠陥があるときは、相手方に適時に知らせなければならない。
第161条 作集する者は、作業依頼人から委託された作業対象物を大事に扱い、資材、付属品を消費基準及び技術規定の要求に適合した使い方をしなければならない。残余資材及び付属品は、作業結果と同時に作業依頼者に返還しなければならない。
第162条 作集する者は、作業対象の構造をみだりに変更し、又は作業依頼人から委託された作業対象物から部分品を取り出し、又は資材又は付属品を変えて使用してはならない。
第163条 作集する者は、作業期間を遵守しなければならない。
作業依頼人は、規定期間までに作業を完了することができないことが明らかな場合、契約を取り消し、それにより被った損害の補償を受けることができる。
第164条 作集する者は、作業結果の質を保障しなければならない。
作業する者は、保証期間が定められた場合、その期間中に発見した欠陥に対して他人の瑕疵でない限り、自己がその責任を負わなければならない。
第165条 作業依頼人は、作業結果を適時に引き取らなければならない。この義務に違反したときに作業する者は、定められた保管料を受け取ることができる。
第166条 公民が物を預け、保管する行為は、保管契約により行われる。
保管契約は、人民生活上の便宜を保障することを目的として締結し、履行されなければならない。
第167条 保管契約により物を保管する者は、その物を保管した後、保管依頼人に返還する義務を負い、物の保管依頼人は、それを引き取り、該当の保管科を支払う義務を負う。
公民相互間の保管契約においては、保管料の支払等の行為を禁止する。
第168条 保管契約は、当事者間の話し合いによる合意により、依頼者から物を頂けられた保管者は、預り証明書を依頼者に交付しなければならず、その交付により成立する。
保管契約は、期間を定めて締結することもでき、期間を定めずに締結することもてきる。
第169条 物の保管依頼人は、その物保管に際して注意しなければならない点を保唇者に告知しなければならない。この義務に反したために保管物に生した損害及び保管者に与えた損害は、物の保管依頼人がその責任を負う。
第170条 保管者は、契約どおり物を保管しなければならない。
性質上管理を必要とする物は、誠実に保管・管理しなければならない。
保管者は、保管物を管理するのに必要な費用については、保管依頼人から補償を受けることができる。
第171条 旅館、劇場、会館等で業務遂行に関連して物を預り保管する機関は、保管した物の紛失又は損傷に対して責任を負う。ただし、客が別途に管理していた物に対しては、その責任を負わない。
第172条 保管依頼人は、保管物を適時に引き取らなければならない。
保管者は、保管期間が経過しても保管依頼人が保管物を引き取らないときは、割増し保管料を受け取ることができる。
第173条 保管者は、保管依頼人に対して原状のまま保管物を返還しなければならない。封印し、又は包装した物を預かった場合は、原状のままで返還し、内容を確認して物を預かったときは、その内容を再度確認して渡さなければならない。
第174条 保管する者は、保管物を保管依頼の本人に正確に返還しなければならない。物を預り保管証明書を交付した場合は、保管証明書を提示した者に物を返還すれば、保管義務は、完了する。
第175条 公民は、法的義務なくして他の公民又は国家社会協同団体の財産を保管・管理することができる。この場合、財産を保管・管理する者は、当該事実を財産持主に知らせ、自己の財産同様に保管・管理しなければならず、その財産の持主から保管・管理に要した費用の補償を受けることができる。
第176条 法的義務なくして他人財産を保管・管理する者が、不可避な事情によりその財産を処分した場合は、処分により得た価格の分のみ財産の持主に返還しなければならない。
第177条 公民が図書、生活用品、文化娯楽器具、体育機材等を借りる場合は、借用契約により行われる。
借用契約は、人民の多様な物質文化的需要を円満に保障することができるよう締結され、履行されなければならない。
第178条 偕用契約により物を貸す者は、借用者がそれを委託一定期間利用することを保障して貸す義務を負い、借用者は、その使用料を支払って利用した後、貸与者に返還する義務を負う。
第179条 公民が図書、特許物、録音及び録画物等の資料を該当機関から借りる契約は、有償又は無償で行われる。
公民相互間の、借用契約においては、便用料の授受を禁止する。
第180条 賃与者は、物本性に適合するように使用することができる伏態で貸与しなければならず、物貸与の際に欠陥があるときは、その事実を借用者に告知しなければならない。
本義務に反して借用者に与えた損害は、貸与者が補償しなければならない。
第181条 借用者は、借りた物を契約条件及び用途に適合させて使用し、その構造を任意に変更してはならない。
借用者が、借用物の構造を変更する場合には、貸与者の同意を得なければならない。
第182条 借用物の大修理は、貸与者が、中修理は、契約により定めた者が行い、小修理は、借用者がこれを行う。
中修理及び小修理を行うべき者が修理を適宜に行わなかったため借りた物に生じた損傷が著しい場合には、相手方は、その契約を取り消すことができる。
第183条 借用契約において借用者は、借りた物を貸与者の同意の下で第三者に転貸することができる。この場合、借用者は、契約義務の履行に対して貸与者の前にその責任を負う。
第184条 保証金を設定して締結された貸借契約において、貸与者は、貸与物が返還されるまでその保証金を返還する必要はない。
第185条 機関、企業所及び団体が、販売、買上げ、又はその他の財産取引を他の機関又は公民に委託する行為は、委託契約により行われる。
委託契約は、少ない労力及び資金によりあらゆる経済的予備及び潜在力を動員・利用することができるように締結され、履行されなければならない。
第186条 委託契約により委託を受ける者は、委圧者から委託された財産取引行為を委託者の負担により遂行する義務を負い、委託者は、その結果の移譲を受けて該当の報酬を支払う義務を負う。
委託契約は、書面により締結されなければならない。
第187条 委託する者は、委託する行為を行うに必要な金銭又は物を、先に相手方に渡さなければならない。
第188条 受託者は、契約条件に適合するように委託された行為を行わなければならない。
受託者が契約条件の範囲を逸脱する行為をなす場合には、委託者の同意を得なければならない。
第189条 委託契約とは、関係なく受託者に対して請求権を有する第三者は、委託行為のために支払われた費用又は委託者に引き渡さなければならない金銭及び物に対しては、請求権を実現することができない。
第190条 受託者は、委託者の要求よりも有利に行った行為の結果も、すべて委託者に引き渡さなければならない。
第191条 委託者は、受託者から行為結果の移譲を速やかに受けて、該当の報酬及び受託者が負担した費用を支払わなければならない。
第192条 本法において規定した売買契約、作業奉仕契約、保管契約、借用契約、委託契約は、機関、企業所、団体等の間においてなされる財産取引関係にも該当し、適用される。
第193条 公民が汽車、自動車、船舶、飛行機を始めとする運輸手段を利用して行われる旅行は、旅客輸送契約により行う。
旅客輸送契約は、人民の旅行上の安全及び便利を保障することができるよう締結され、履行されなければならない。
第194条 旅客輸送契約により旅客は、運輸機関に該当価格を支払う義務を負い、運輸機関は、旅客を旅行目的地まで運ぶ義務を負う。
旅客輸送契約は、運輸機関は、乗車券により該当運輸手段の利用を承認したときに成立する。
第195条 運輸機関は、運輸手段を利用する旅客に対して医療奉仕、途中の食事を始めとする旅行に必要な条件及び施設を保障しなければならない。
第196条 運輸機関は、旅客を旅行目的地まで運ぶことができない場合には、旅客に対して他の運輸手段を利用することができるよう保障しなければならない。
第197条 運輸機関は、旅客が乗車券の代金を定めた期間内に取り消し、又は旅客を運ぶことができなくなったときは、該当代金の全部又はその一部を旅客に返還し、又は切符の使用期間を延長しなければならない。
第198条 旅客は、就学前の児童に対しては、乗車券の代金を支払わずに連れて乗ることができ、規定範囲内の貨物を該当の運輸機関に持ち込むこともできる。
第199条 旅客は、旅行過程で運輸手段及び施設、備品を愛護し、定められた旅行秩序を遵守しなければならない。
この義務に違反した場合に、運輸機関は、該当の旅客に損害を補償させ、又は運輸手段から降りることを要求することができる。
第200条 公民が貯金機関に金銭を貯蓄する行為は、貯金契約により行われる。
貯金契約は、遊休資金を経済建設に効果的に利用し、人民生活の向上を図り得るように締結され、履行されなければならない。
第201条 貯金契約により貯金する公民が貯金機関に金銭を預けられたとき、貯金機関は、それを貯金し、貯金した公民の要求により支払う義務を負う。貯金契約は、貯金機関が金銭を預り貯金する公民に対して貯金証書を発行した時に締結される。
第202条 貯金契約において貯金する公民は、貯金の種類及び貯金額を自由に決定することができる。
貯金者が既に預けている貯金を他の種類の貯金に変更又は貯金機関の変更を要求したときは、貯金機関は、これに応じなければならない。
第203条 貯金機関は、公民の要求により随時に貯金する金銭を預かり、又は貯金した金銭を引き渡さなければならない。
貯金機関は、相手方を正確に確認せずに支払った金銭に対して責任を負う。
第204条 貯金機関は、貯金の秘密を遵守し、貯金内容について公開してはならない。
第205条 公民が生命、健康又は財産に対して保険に加入する行為は、保険契約により行われる。
保険契約は、予期せぬ災害による損害から人民を保護し、遊休資金を動員・利用することができるよう締結し、履行されなければならない。
第206条 保険契約により保険に加入した公民は、保険機関に対して保険料を支払う義務を負い、保険機関は、保険事故が発生したとき、保険金又は保険捕償金を該当の公民に支払う義務を負う。
保険契約は、保険機関が保険に加入した公民に保険証書を発行した時に締結される。
第207条 保険に加入した公民が保険金又は保険補償金を受ける際に利害関係にある第三者が故意に保険事故を起こした場合には、保険金又は保険捕償金の支払いは、行わない。
第208条 第三者の瑕疵により発生した事故に対して保険補償金を支払った保険機関は、それに対する補償を第三者に要求することができる。
第三者が保険事故を起こした場合に保険加入の公民は、その事故結果を固着させなければならない。
この義務が履行されなければ、支払われるべき保険補償金を減額又は保険契約の効力を消滅させることができる。
第209条 生命保険、児童保険、災害保険等の人体保険契約を締結した公民は、規定期間中定期的に保険料を支払わなければならない。
人体保険に加入した公民が規定期間までに保険料を支払わないときは、保険効力がなくなり、保険料が納入されれば、保険効力が再度発生する。
第210条 保険機関は、人体保険に加入した公民が死亡又は労働能力を喪失したとき、それに該当する保険金を支払わなければならない。
生命保険及び児童保険では、保険期間が満了し、保険に加入した公民が保険料の支払いを完了すれば、満期保険金を支払わなければならない。
第211条 財産保険に加入した公民は、規定期間内に保険料を支払わなければならない。
保険事故なく契約期間が経過した場合に支払われた保険料は、保険機関の収入となる。
第212条 財産保険に加入した公民は、保険事故が発生したときは、直ちに保険機関に知らせて損失軽減のための対策を立てなければならない。この義務が履行されなければ、支払われるべき保険捕償金を減額又は保険契約の効力を消滅させることができる。
第213条 公民が財産取引及びその他の法律的意義を有する行為を他人に委任する行為は、別途の法的根拠がない限り、委任契約により行われなければならない。
第214条 委任契約により受任者は、委任を受ける行為を委任者の名義及び負担で行う義務を負い、委任者は、受任者が行った行為及び結果を引き受ける義務を負う。
委任契約は、無償で締結される。
第215条 養子関係又は遺言等本人自身による直接的意思表示を必要とする行為は、委任することができない。
第216条 受任者は、委任を受けた範囲内で行為しなければならない。委任を受けた行為を円満に行うために不可避な場合は、その範囲を超える行為を行うことができる。
第217条 受任者は、委任を受けた行為を行う過程で自己の瑕疵により起こした損害に対して責任を負う。ただし、どの当事者にもその瑕疵が属さずに発生した損害に対しては、委任者が責任を負う。
第218条 受任者は、委任者の要求により委任された行為の遂行情況をその者に知らせなければならない。
第219条 委任者は、契約条件に合致する受任者の行為に対する結果を適時に引き受け、受任者が費やした費用を補償しなければならない。
委任者は、自己の瑕疵により受任者が委任を受けた行為を行う過程で被った損害に対して補償する責任を負う。
第220条 委任契約の当事者は、随時に委任契約を解消することができる。
契約を解消した当事者は、そのために相手方が被った損害を補償する責任を負う。
第221条 公民の間で金銭又は物の貸借行為は、貸借契約により行われる。
貸借契約は、無償で締結する。利子又は利子形態物の授受を伴う貸借契約を締結することはできない。
第222条 貸借契約により貸方公民が金銭又は物を借方公民に引き渡したとき、借方公民は、貸方公民に同額の金銭又は同種・同量の物を支払う義務を負う。
貸借契約は、貸す公民が金銭又は物を相手方に引き渡した時に締結される。
第223条 期間を定めて貸借契約を締結した場合に、貸方公民は、満期にならなけれは、貸与した金銭又は物の返済を要求することができず、借方公民は、満期前であってもそれを返済することができる。
第224条 借用した金銭又は物は、規定の期間内に返済しなければならない。同じ物がないときは、他の物により弁済することができる。
第225条 銀行機関が機関、企業所、団体に金銭を貸す行為は、銀行貸付契約により行われる。
銀行貸付契約は、財政規律を強化し、貨幣資金の節約及びその回転を促進させることができるように締結され、履行されなければならない。
第226条 銀行貸付契約により銀行機関は、貸付けを受ける機関、企業所、団体に貨幣資金を引き渡す義務を負い、貸付けを受ける者は、その資金を利用し、元金及び利子を銀行機関に返済する義務を負う。
銀行貸付契約は、銀行機関が貸付けを受ける者の申請を承認し、貸付金を引き渡した時に締結される。
第227条 銀行貸付契約は、貸付けの返還元本が担保される条件において締結される。
貸付けを受ける者は、文書により自己の貸付金返還能力を銀行機関に担保しなければならない。
第228条 貸付けを受ける者は、貸付金を流用し、又は死蔵浪費することができず、指定された項目に使用しなければならない。この義務に違反したとき、銀行機関は、貸付金を満期前に回収し、又は次期貸付を中止することができる。
第229条 貸付けを受ける者は、元金及び利子を定められた期間内に銀行機関に返済しなければならない。この義務に違反したときは、期間が経過した日から割増率の利子を返済しなければならない。
第230条 機関、企業所、団体が国家資金で住宅、施没物等の建設作業を共同で行い、それに対する利用権を分割する行為は、合同作業契約により行う。
合同作業契約は、予備と可能性を動員して建設物の需要を保障することができるよう締結され、履行されなければならない。
第231条 合同作業契約の当事者は、共同作業に参加する義務を負い、作業の参加程度により作業結果物の利用権を分割して所有する。
合同作業契約は、書面により締結され、公証を受けなければならない。
第232条 合同作業契約の当事者は、作業対象、期間、秩序及び作業実績の計算方法、作業結果物の分割原則、合同作業代表の権限等の条件に対して合意しなければならない。
第233条 契約当事者は、契約を円満に履行するために合同作業代表を選出する。
合同作業代表は、契約当事者の代表として合同作業に対して責任を負う。
第234条 合同作業代表は、作業が終了したとき、契約当事者に対して作業実績により作業結果物を分配して利用することについて当該国家機関に提起しなければならない。
第235条 法的根拠なくして他人の損失の下で不当に利益を得た者は、その不当利益により損害を被った者に該当利益を返還しなければならない。
第236条 不当利益者は、既得利益が不当であると判明したとき、その利益により発生した財手の損害を被った者に返還しなければならない。
第237条 不当利益及びそれにより発生した財産は、現物で返還することを原則とし、現物による返還が不可能になったときは、その価格を支払わなければならない。
第238条 不当利益及びそれにより発生した財産を返還した者は、それを保管・管理し、返還に要した費用の補償を受けることができる。
第239条 不当利益を返還しなければならない相手が不明のとき、不当利益者は、その利益を該当の国家機関に納入しなければならない。
第240条 機関、企業所、団体及び公民は、他人の民事上の権利を侵害し、又は自己の民事上義務に違反した場合に、民事責任を負う。
第241条 民事責任は、法が別途に規定しない限り、瑕疵ある場合に負う。契約又は法に違反した者が自己には、瑕疵のないことを証明することができなければ、瑕疵は、当該者にあるものとみなされる。
第242条 民事責任の形態は、次のとおりである。
1 財産の返還
2 原状復旧
3 損害補償
4 違約金、延滞料等の制裁金の支払い
5 請求権の制限又は喪失
民事責任は、情状により併合して適用することができる。
第243条 民事行為能力のない者が他人の民事上の権利を侵害した場合には、その父母又は後見人が民事責任を負う。当該者の父母又は後見人の統制から逸脱している間に侵害行為を行った場合には、その者を統制する義務を負った者が民事責任を負う。
第244条 16歳に達した部分的行為能力者が、他人の民事上の権利を侵害して担害を発生させた場合には、自己の支払能力範囲を超える部分については、その父母又は後見人が民事上の責任を負う。
第245条 機関・企業所・団体職員の職務の遂行過程に他人の財産又は人体に損害を与えた場合には、その機関・企業所・団体が応分の民事責任を負う。
第246条 他人の建物を始めとする財産を不法に占有した機関、企業所、団体及び公民は、それを持主に返還しなければならない。財産を現物で返還することができない場合には、それに相応する対価を支払わなければならない。
第247条 他人の財産に損害を与えた機関、企業所、団体、公民は、その財産を原状どおり復旧しなければならない。財産の原状復旧が不可能な場合には、同じ種類の他の物による弁償又はその対価を支払わなければならない。
第248条 人の健康と生命に害を与えた機関、企業所、団体及び公民は、それに相当する損害を補償しなければならない。
第249条 管理している動物が他人の財産又は人体に害を与えたとき、飼主又は管理者は、その損害を補償しなければならない。ただし、被害者に瑕疵あるときの補償責任は、軽減又は免除される。
第250条 国土又は自然を保護し、自然環境を保存・造成し、環境汚染を防止する国家の法に違反して他人の財産に損害を与えた機関、企業所、団体及び公民は、応分の損害を補償しなければならない。
第251条 数人が共同で他人の財産又は人体に害を与えた者は、連帯的に民事責任を負う。
第252条 計画に基づく契約に違反した者は、違約金又は延滞料を支払い、法に別途規定がない限り、発生した損害を補償する責任を負う。
計画に基づかない契約に違反した者は、損害を補償する責任を負う。
第253条 契約当事者が共に締結した契約に違反した場合には、各自が応分の民事責任を負う。
第254条 契約の変更又は取消しは、損害補償を請求した当事者の権利に影響を与えない。
第255条 機関、企業所及び団体は、周囲の環境に大きな危険を与える可能性のある対象を取り扱い、又は作業を進める過程において、他人の財産又は人体に害を与えた場合には、瑕疵がなくても民事責任を負う。ただし、被害者に重大な過失がある場合には、その責任を負わない。
第256条 公民が正当防衛のため、又は自然災害及び不法侵害により国家や社会の利益を保護するために必要な程度を超えない範囲内で不可抗カにより他人の財産又は人体に損害を与えた場合には、民事責任を負わない。
第257条 国家及び社会の利益のために不可抗力により他人の財産に損害を与えた場合、それにより救われた財産の持主は、損害を被った者に対して損害を補償しなければならない。
第258条 民事責任は、違法行為に対する行政的、刑事的責任を排除しない。
第259条 民事上の権利実現を保障するための裁判又は仲裁の提起は、民事時効期間内に行わなければならない。これに違反した場合は、裁判、仲裁手続による権利実現の保障を受けることができない。
国家所有財産の返還請求については、民事時効は適用されない。
第260条 機関・企業所・団体と公民との間、又は公民相互間の民事時効期間を、1年とする。
第261条 機関、企業所、団体間の民事時効期間については、次のとおりである。
1 製品の代金請求及び保証金返還請求、供給した製品の規格、完備性及び見本の違反及び破損、腐敗変質、数量不足その他の契約条件違反により発生した損害補償請求及び違約金、延滞料の支払い請求及び運輸、逓信業務に関連して発生した請求に対しては、3か月
2 前号以外の請求に対しては、6か月
3 外国から直接仕入れた輸入品の事故に関連する補償請求、国際連絡運輸及び国際通信に関連する請求に対しては、該当協定による期間
策262条 予算制国家機関、企業所の債権に対しては、民事時効期間の満了前であってもその債権が発生した予算年度が経過すれば、時効期間が経過したものとみなす。
第263条 民事時効期間が経過した財産は、持主なき財産となる。
機関、企業所、団体は、民事時効期間が経過した財産を、法の定める手続により速やかに当該国家機関に帰属させなければならない。
第264条 民事時効期間が経過した後に自己の民事上の義務を自発的に履行した者は、時効期間の経過事実を知らなかったとしても、その返還を要求することはできない。
第265条 民事時効期問の最後の3か月以内に、自然災害等の不可抗力の事由により請求権行使が不可能となった場合には、時効期間の計算は、停止し、その事由がなくなった時から3か月延長される。
本法第261条第1号の請求権には、民事時効の停止は、適用されない。
第266条 次の事由がある場合には、民事時効期間の計算は、中断される。
1 債権者が裁判又は仲裁を提起した場合
2 銀行機関を通じた支払い請求に対し、債務者が債務を確認した場合
3 機関・企業所・団体と公民との間、又は公民相互間の債務において債務者が債務を承認した場合
時効期間が中断されると、その時から時効期間は、新たに計算される。
第267条 裁判機関又は仲裁機関は、請求権を有する者が民事時効期間内に裁判又は仲裁の提起を怠ったことに不可抗力の理由があると認めた場合には、時効期間を延長することができる。
第268条 裁判機関又は仲裁機関は、当事者が民事時効の利益を主張しない場合であっても時効を適用しなければならない。
第269条 民事時効期間は、次の時から開始する。
1 履行期間を指定した債務については、その期間が満了した時
2 履行期間を指定しない債務については、債務が発生した時
3 機関、企業所、団体間に供給した製品の規格、完備性及び見本の違反及び破損、腐敗変質、数量不足その他契約条件違反により発生した損害捕償請求は、それに対する事故調書を作成し、又は作成を決定した時
4 その他の請求権は、請求権の実現が可能となった時
第270条 民事時効期間は、日間、月間、年間で定め、その計算は、時効期間を計算しなければならない事由の発生当日を除き、その翌日から開始する。
第271条 民事時効期問は、時効期間を計算しなければならない事由が発生した日と同じ日が経過すれば完了し、同じ日がないときは、当該月の末日の経過をもって完了する。
時効期間の最後の日が日曜日、祝日又は国家が定めた祭日の場合は、その翌日以後の、最初の労働日を時効期間の最終日とする。
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